ベトナム進出ロードマップ⑥ 物流・ロジスティクス

物流費用は売上原価に直結する重要なコスト項目です 。 進出ロケーションを決め、F/S (フィージビリティスタディ)を完了するためには、早い段階で物流事業者との打ち合わせ機会を持ち、ベトナムの関税制度、通関事情、候補となる工場立地から主要港・顧客・サプライヤーまでの総費用を調べておくことが大切です 。

ベトナムの港湾(海上輸送)

ハノイ周辺の工業団地を始め、北部エリアの海上貨物はハノイから 120 キロ離れたハイフォンに集約され、北米向けなどの大型船の利用では2018年運用開始のラックフェン深海港の利用が増えつつあります 。 中部ではコンテナ船においてはダナン港が主要港であり、同湾内にはリエンチュウ港の開発も進められています(但し稼働時期は不明) 。 南部ではホーチミン郊外に1860年に開港された河川港としてカットライ港(河口から約60km)があり、カイメップ・チーバイ港(バリア・ブンタウ省)ではODA資金(円借款)を用いて開発されたターミナルもあり、近年大型ターミナルが続々とオープンし利便性が高まっています 。

ベトナム国内輸送

ベトナムの国土は南北1.650km、東西800km(最も細い部分では50km)の細長い形をしています 。 ベトナム国内の輸送では、海上輸送、トラック輸送、航空輸送に加えて鉄道輸送という選択肢があります 。 首都ハノイからホーチミンまでは直線距離で1,100km、自動車専用道路では 1,800kmあり、2024年7月現在、中部の一部の区画を除き高速道路で繋がっています 。

EPE 企業/Non-EPE 企業

輸出加工を目的とする企業の原材料の輸入関税、及びVAT(付加価値税)の免除を認める優遇措置としてEPE (Export Processing Enterprises)という企業ステータスがあります 。 EPE企業として登録されると、ベトナム国内にいながら税法上は国外企業のような扱いとして、関税・VATを免れます 。 またEPE企業間での外貨決済が認められる等のメリットがあります 。 一方で、EPE企業は税務当局に対し原材料の在庫報告を行う義務があり、定期的に税務調査を受けることになるため、その対応に多くの労力と注意を要するというデメリットがあります 。 その為、輸出比率が高い企業であっても Non-EPE企業(一般製造業)を選ぶという選択肢もあり、また「輸出製品製造用材料の免税制度」「委託加工の免税制度」を利用して免税措置を申請するという方法もあります 。 EPEは IRC の中で認可される企業ステータスであるため 。 IRC ERC 申請時点にその要否を決めておく必要があります 。

FTA/EPAの活用

ベトナムは近年、外交政策によりFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定の締結を積極的に進めてきました 。 2015年ASEAN共同体、2019年 TPP(環太平洋パートナーシップ、2020 EVFTA(EU・ベトナム自由貿易協定) 、2022年RECP(地域的な包括的経済連携)、その他これまで数十に及ぶ国と地域と個別の貿易協定を締結しています 。 FTA/EPAの活用は、ベトナムに進出した企業が競争優位性を確保するための手段として多くのポテンシャルを秘めていますが、実務においては利用可能な協定を調べ、HSコード確認、実行税率の比較、原産地証明の発給要件の確認など、特恵関税を獲得するまでのプロセスは複雑でハードルが高いというのも事実です 。 従ってFTP/EPAの活用検討については、物流企業のエキスパートの知見を借りながら実現可能性を追求することがお勧めです 。

中古機械の輸入

ベトナムでは中古設備、機械の輸入は原則禁止であり、持ち込みには細かな条件が設けられています 。 2019 年施行の最新新定(首相決定:18/2019/QĐ-TTg)では、販売を目的とする中古機械・設備は輸入を明確に禁止する一方で、条件付きで輸入を認める中古機械・中古設備の定義が明確になり、技術ラインについては年数制限が廃止されたほか、製造から10年を超えた機械設備の輸入についても一部特定の分野に属する機械設備については、例外規定が設けられました 。 実務においては、対象物の輸入条件への適合確認、輸入手続き搬出検定・梱包からベトナム側での輸入通関・工場搬入までを一気通貫で任せられる物流パートナーを見つけ、設備の移設の実行性を確認することが大切です 。

ベトナムでの最近の通関事情

ベトナムにおけるコロナ後の通関事情として、免税品の管理について特に厳格化されており、EPE企業や免税制度を利用する企業への監査が厳格になってきております 。 また通関は依然として税関担当者の裁量によるところが有り、管轄税関により判断が異なることがあります 。 従って対象の貨物分野において十分に通関実績を持ち、前広にアドバイスを提供してくれる物流企業をパートナーとして選ぶことをお勧めします 。

ベトナム進出ロードマップ

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